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 E235系の概要

 E235系はJR東日本の次世代通勤電車で、2015年から2020年にかけて山手線に(0番台)、2020年からは横須賀線に(1000番台)それぞれ 投入されている。一部報道では東海道・宇都宮・高崎線での投入が報じられたほか、ワンマン運転の開始が検討されている京浜東北根岸線・横浜線への投入も噂 されるなど、今後も製造がつづくことが予想される。

 横須賀線への投入は2018年9月に発表された。投入数は11両編成が51本、4両編成が46本の計745両であり、在籍するE217系と同数となる。 製造は0番台同様に全て総合車両製作所((J-TREC)が行い、グリーン車をJ-TREC横浜が、普通車をJ-TREC新津で製造される。第一編成とな るグリーン車はJ-TREC横浜で2020年4月に落成し、J-TREC新津にて普通車に組み込んだうえで2020年6月に出場し、所属先となる鎌倉車両センターへ配給輸送された。

 MT比は11両編成が6M5T(E217系は4M7T)、4両編成は2M2T(同2M2T)であり、11両編成のMT比が上がっている。起動加速度は E217系に比べ向上しているが、E217系と混在しているため現状では低く抑えられている。最高運転速度はE217系と同一の120km/hである。11両編成には0番台にはなかった非常用蓄電池が搭載されており、停電などで駅間に停車した場合も最寄り駅や避難可能な場所までの移動が可能。F-07/J-07編成までは全ての先頭車に 2段式電気連結器を搭載しており、11両編成と4両編成の連結位置が変更できるようになっているが、F-08/J-08編成では11号車/増1号車の電気連結器が省略されスカート形状も変更された。

 車内は0番台と同様であるが、シートの柄が緑色系から青色系へ、仕切り板が非透明に変更されているほか、長時間停車での使用を想定した半自動ドアスイッ チが設置されている。混雑緩和を目的とし、普通車は全ての車両がロングシートとなっている。グリーン車はE233系に比べ座席のデザインが刷新されたほ か、電源用コンセントと無線LANサービスが提供される。トイレは全てバリアフリー対応の大型タイプで、11両編成の1号車、5号車、6号車と4両編成の 1号車(増1号車)に設置されている。

 2020年夏ごろに東海道貨物線での試運転を行い、同年12月より営業運転を開始した。乗務員訓練は各車両基地で行われたため、横須賀線での試運転はほ とんど行われたなかった。運用開始から分割併合を含んだ運用だが、当日中に同じ編成と連結する限定運用であり、E217系との共通運用となっている。

 今後の見通し

 2020年度中に15両8編成の投入が計画されており、2024年頃までにE217系の置換を完了する予定。運用開始時からE217系との併結運用がない ことから、今後も車両数に応じて運用を組み替えていくものと思われる。ラッシュ時の運用を考えて普通車は全てロングシートになっているが、Covid- 19によるラッシュ緩和や旅客からの要望によってクロスシートの設置が考慮された場合、車両の組替を行う可能性もゼロではない。

 写真


普通車は全てロングシートで液晶ディスプレイが多く設置されている


各車両に設置されたフリースペースと21インチの大型ディスプレイ


横須賀線初導入の半自動ドアスイッチ



グリーン車は1階と2階、平屋すべてで座席カラーが同一に


配給輸送される11両編成(左)と4両編成(右)